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塩害対策鉄筋防錆工法実海域実験工事 概要

平成20年10月 ダイキ工業株式会社



1.場所:佐賀県唐津港(東港地区)埠頭用地(-0.9m)岸壁No.12桟橋一部


2.工事期間:平成15年7月1日~8月31日(62日間)


3.工法協同開発グループ

九州工業大学/ダイキ工業株式会社/エス・エルテック株式会社/新日鐵高炉セメント株式会社

 <アドバイザー>

 ニッテツ八幡エンジニアリング株式会社/三菱化学エンジニアリング株式会社/太平工業株式会社

 株式会社ユニペック/日産化学工業株式会社/株式会社環境開発


4.実海域実験目的

「塩害対策鉄筋防錆工法」

中性化又は塩害を受けたコンクリート構造物の寿命延長の為、亜硝酸塩を用いた鉄筋防食と、           埋込型枠を用いた断面復旧による構造物の維持を目的とした、環境に優しい補修、補強工法の開発を        目指したものです。


本実験では、実現場で損傷を受けたコンクリートの鉄筋防食、断面復旧、表面保護を行い、 寿命延長、      維持工法の効果の確認を行い、塩害を受けたコンクリート構造物の補修工法としての 適応の実用化を       目指したものです。


埋込型枠工法(大きく露筋している箇所)

FRP貼付工法(多少露筋している箇所)

(式)不動態被膜再生メカニズム

Fe2+ + 2OH- + 2NO2-  → Fe23 + H2O + 2NO

   (鉄イオン)    (亜硝酸イオン)          (緻密な鉄の酸化物)

5.実験場所

(図-1 周辺配置図)


6.追跡調査計画及び期間

 施工実験を施す桟橋を目視にて調査します。調査は平成16年9月から開始し、

春季調査と秋季調査の年2回を基本としますが、必要に応じて追加調査を行います。

平成15年から平成18年まで年2回実施します。

事後調査 調査時期 事後調査 調査時期
春季調査 平成17年 春季 秋季調査 平成16年 9月
平成18年 春季 平成17年 9月
秋季調査 平成15年 9月 平成18年 9月
撤去解体調査 平成20年 10月

   

7.埋込型枠で補修した梁の曲げ載荷試験

九州工業大学建設社会工学科 名誉教授 出光 隆

結果: 埋込型枠(CaseDとE)で補修した梁は補修効果が期待できる。


8.打ち継ぎモルタル種類による鉄筋腐食状況の相違

●モルタル供試体の形状


●試験結果


結果:亜硝酸イオン(NO2)が塩化物モルタルへ浸透し、拡散し、                                             鉄筋の腐食を抑制している。

  ≪亜硝酸リチウムの拡散≫

 呈色液塗布:茶褐色の部分が亜硝酸イオンの拡散域


9、実験場所の現状

スラブの劣化
スラブの劣化
梁の劣化
   

 当該施設の劣化原因調査

圧縮強さ、塩害、中性化、ひび割れに関する調査を実施しました。

この結果、圧縮 強さ、中性化は問題なく、当該施設の劣化の主因は、一部アルカリ骨材反応も          確認されましたが、大半は「塩害」によるものと推定しました。

具体的には、当該施設の塩分量は、スラブ面で10~15(Kg/m3)、梁面で6~11(kg/m3) 確認され、         土木学会の鉄筋発錆算定限界値1.2(kg/m3)と、大幅に超える値でした。

塩分による鉄筋の錆により、かぶり コンクリート70mmが脱落して欠損 アルカリ骨材反応による骨材の亀裂
アルカリ骨材反応による      黒色環(リム)の発生


10.コンクリート構造物調査に対するまとめ

(1)劣化度の判定


コンクリート構造物外観上の症状


①鉄筋腐食による幅0.5mm以上のひび割れや、かぶり部分の浮き、剥落などが著しく且つ、            鉄筋露出がスラブ部中心に多数みられる。

②コンクリートの圧縮強度は、現状で問題なく健全である。

③中性化については、進行が見られない。                                  ごく一部に5cm程度の中性化が確認されたが、これは代表サンプルにならない。

④鉄筋の腐食は、スラブ下筋で著しく、D13の断面積が40~100%の範囲で減少している。             腐食グレードはVを超えている。一方、梁部はかぶり部の剥落までのダメージに到達していない。           ハンマーで叩いてみても金属音の響きを確認できる。

⑤コアーサンプルの一部に骨材のアルカリ骨材反応が確認できた、水分、酸素の供給が続くと今後共この反応は継続すると思われる。特に、コンクリート表面部より雨水等の侵入が考えられるスラブ部については、鉄筋の腐食と併せて早急に対応が必要である。



(2)補修工法の選定


①スラブ下面の補修工法手順

埋込型枠加工取付(GMP板=7mm)

グラウト充填 厚み70mm(エスエルグラウト :亜硝酸リチウム添加 対セメント量の3%)

GFプロテクト工法 (断面修復工法)

鉄筋防錆 補強効果 アルカリ骨材反応抑制

②梁の補修工法手順

塩分対策モルタル 厚み5mm

(スラグリード#25:亜硝酸リチウム添加対セメント量の10%FRPシートの真張り)

FRP貼付工法(表面処理工法)

鉄筋防錆




11.実海域実験施工・12.施工5年後解体画像

GF解体